日本のキムチは発酵していないのか？

突然ですが、皆さん、キムチくんマークはご存知でしょうか？

キムチくんマークは、日本での韓国産キムチの販売がまだまだ少なかったころ、販売数量を増やしたい韓国メーカーや韓国政府が作った認証です。
本物は韓国産キムチで、日本で販売されているキムチと呼べないような商品と差別化します！という狙いが当初はありました。
日本のキムチメーカーとして、複雑な想いをもっていましたが、トラブルになるのも嫌なので静観していました。

しかし黙って見てられない状況になってきています。
Twitterで見かけた投稿

日本のキムチと韓国産のキムチはどちらが良いのかという感情論ではなく、日本のキムチはどうなのかを紹介させていただきます。

日本のキムチはキムチ味の漬物なのか？

この質問はナンセンスでしょう。
韓国でも野菜を塩漬けし、漬物にしてからヤンニョムというキムチ味を足していますので。
日本でも、韓国でも、基本はキムチ味の漬物です。
母の口癖は「塩漬けが下手くそだと美味しいキムチは作れない」

実際のところ、日本と韓国のキムチ作りの製法に関しては大きく変わることはないです。
家庭、キムチ専門店、キムチ工場と規模によって作り方が変わるのは日本も韓国も同じだと思います。

日本のキムチは発酵していないのか？

最近、良く目にする情報です。
会社に電話がかかってきて「おたくのキムチは発酵していますか？」と聞かれたこともあります。
当社のキムチは以前のブログ（乳酸発酵によるキムチの旨み）で紹介したように発酵するタイプです。

日本のお漬物メーカーさんが作られるキムチも発酵していると思います。
乳酸菌の量を減らし、なおかつ増えにくい環境にして、発酵しにくい努力はされていますが、投稿主が言う様な「乳酸菌が全くいないキムチ」は日本に存在しません。
レトルト殺菌くらいの強烈な方法をとれば、ゼロに出来るかも知れませんが野菜の食感がなくなり食べれたものではないです（笑）

また、韓国と日本では乳酸菌の種類が違うことや環境（温度・湿度）が違うことも大きく影響しています。
韓国では数ヶ月発酵させることが可能なキムチでも、日本ではそこまで長く発酵させることは難しいです。

日本のキムチは腸活にならないのか？

腸活とは、バランスのよい食生活や適度な運動などによって、腸内環境を整えることです。
その腸活に大事なのは乳酸菌と食物繊維と言われています。
キムチに含まれる乳酸菌が腸の動きを活発にし、免疫を高めるそうです。
腸の動きが良くなると、身体の調子が良くなるのは実感できますので僕も取り組んでいます。

ネットやSNSで見る情報として・・・
腸活に良いキムチを良く食べる韓国の人は肌が綺麗！だから韓国産キムチを食べよう！！
確かに韓国の人は肌が綺麗だと思います。

昨年Twitterに投稿した母の80歳の誕生日を祝った写真です。
80歳とは思えない若々しい肌ですね！というコメントありました♪
確かに（笑）

韓国と日本の食卓を見てきて思うのは、キムチを食べる量も違いますが、野菜の食べる量がそもそも違うのかなと。
家でも外食でも物凄い量の野菜を食べます。
キムチだけでなく、野菜も魚も肉もバランス良く食べると腸活には良さそうです♪

ネットやSNS上では、極端な意見の方が分かりやすくて支持が多くなります。
又聞きなどで仕入れた情報を拡散される方も多く、うのみにするのは危険です。
キムチに関する事しか詳しく分かりませんが、おいおいと思う情報も良く目にします。

僕が望むのは韓国のキムチも日本のキムチも、相手を批判せず成長しながら共存していくことです。
日本で産まれ育った韓国にルーツのあるキムチ屋さんですので・・。

キムチを食べる人に、それぞれの好みで選んでもらう。
自分のとこの商品を好んでくれる人に全力で応える。
全ての人を満足させるのは無理。
それくらい幅が広くて、奥深い食べ物だと思っています。