冷蔵庫にキムチが入っている生活
家電量販店にて冷蔵庫のパンフレットを見ていたら、冷蔵庫の中身のイメージ写真に色んな食べ物と一緒にキムチがありました。
一般的な家庭の冷蔵庫のイメージにキムチが入っている!?
キムチ屋さんとしては嬉しい写真でした。
確かに冷蔵庫にキムチがある家庭って増えましたよね♪
僕が子供の頃からすると全然変わってきたと思うので、その経緯を振り返ってみたいと思います。
あの写真一枚で、こんなテーマを良く思いついたなと・・(笑)
キムチはいつから日本で普通に食べられだしたのか?

若い世代の人には信じられない話かもしれませんが、昔の日本の食卓ではキムチがほとんど出てきませんでした。
もちろん冷蔵庫の中にキムチがある家庭って、かなり珍しかったのではないでしょうか。
キムチは焼肉屋さんで食べるだけという人も、多かったと思います。
焼肉とキムチは最強の組み合わせですからね♪

焼肉屋さんを営む方は僕らのような在日韓国人が多く、キムチもそれぞれのお店で作られていました。
韓国料理店というジャンルのお店は少なく、焼肉屋さんで韓国料理(チヂミや韓国スープなど)も出すという店の方が多かったです。
日本でキムチが一般的に食べられるようになったのは1980年代。
1988年のソウルオリンピック前後に韓国に行かれる方が増え、韓国の代表的な食べ物として「キムチ」の認知が増えました。
それでも、キムチがいきなり日本の食卓に馴染むわけでもなく、キムチが好きな人より嫌い若しくは食べない(食べたことがない)という人が多かったです。
僕がキムチ屋さんを始めた20年ほど前でも「キムチが好き」は過半数に満たなかった気が・・・。
キムチは好きですか?というブログでも書きましたが、知人が職場でアンケートを取ってくれてその結果は「キムチが好き・良く食べる」が4割、「普通・時々食べる」が3割、「キムチがきらい・食べない」が3割という数字でした。
そんなお上品な食べ物というイメージでなかったので、僕らもそんなもんやと思ってましたし。
キムチが日本の食卓に定着した要因

一気に普及したイメージはなく、韓国食ブームや激辛ブームなどが何度も訪れ徐々に広まってきました。
テレビの情報番組による健康食ブームなども大きな要因やと思います。
しかしながら、それだけで定着するほど「食」って簡単ではないです。
一時的にはブームになってその時は食べる人が増えたけど、その後尻すぼみになった食べ物のほうが多いでしょう。
キムチはそのブームに乗りながら着実に食べ続ける人が増えた数少ない食べ物です。
その大きな要因として、料理に使えるというのが良く言われています。

キムチ鍋は日本の好きな鍋ランキングで常に上位を争いますし、豚キムチは定着しすぎて韓国料理の枠を飛び出しました(笑)

ビールやお酒のツマミとしても人気がありますよね♪
日本のキムチ、韓国キムチ

日本人の食卓に馴染んでいくなかで、日本で売られているキムチもどんどん変化してきます。
当初は僕たち日本に住む在日韓国人が作る「本格キムチ」かお漬物屋さんが作る「和風キムチ」が主流でした。
和風キムチは白菜の浅漬けにキムチの色(ピンクやオレンジ)を付けたもの。
辛い食べ物が苦手な人が圧倒的に多く、キムチといっても辛い物はNGという考え方でまさに「キムチ風の漬物」
味付けも口に入れた瞬間「甘~い!!」とうなる物でした(笑)
そこから辛い物を好む人も増えてきて、お漬物屋さんが作るキムチも甘い和風キムチから甘辛なキムチが増えてきます。最近の売り場ではほとんど見なくなってきたので、キムチの嗜好も変わってきたのでしょう。

僕たち在日韓国人が作るキムチも変化してきて、出汁を加えるなど日本人好みの味になってきてます。
ニューカマーの韓国人がオープンするキムチ屋さんのキムチは韓国の味だったりするので、色んなキムチが入り混じっていて面白いですね♪
ここまで根付いてくると、日本のキムチと韓国キムチは別物と言ってもいいくらいに変化してきています。
日本のカレーとインドカレーは、違う食べ物でしょ?
日本のキムチもどんどん進化しております♪
韓国にルーツをもつ人間として、またキムチの作り手として、色んな人の食卓にキムチが上がることは嬉しいです♪
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