大阪鶴橋黄さんの手造りキムチの黄さんのルーツ

工場長日記

沢山の人に見られる場で自分のキムチに対する想いを披露する機会があり、ルーツまで遡って搾りだすことにしました。

皆さんもルーツ、いろいろありますよね。
生まれた町や周りの環境。

遡ってみると自分の中にある芯みたいな物を見つけられるのでおススメです♪

大阪鶴橋黄さんの手造りキムチの黄さんのルーツ

僕らは特殊なルーツだと自覚しています。
日本で生まれ育ちましたが、母はキムチ屋さんを営む韓国人家庭。

キムチを3食食べる家庭は、当時ではかなり少数派だったと思います。
弁当にもキムチが入っていたりとか(笑)

母が作るご飯は韓国家庭料理が多かったですが、ハンバーグやコロッケなど日本のおかずも良く登場しました。
家族が皆、ご飯好きだったため、夜ご飯にパンが出てきた記憶がない・・。

また、韓国料理は家で食べるものという感覚があり、外食で韓国料理を選ぶことは最近までありませんでした。

黄さんが生まれ育った町 大阪市生野区

大阪で韓国の気分を楽しむなら、生野区鶴橋と言われてます。
人口約13万2千人のうち約4分の1の人が韓国・朝鮮にルーツを有する人たちといわれる「在日コリアン」の町だからです。
特に鶴橋駅周辺は戦後の闇市から始まったといわれる商店街で、昔から関西圏の人たちが電車に乗りキムチや韓国食材を買い付けに来ています。

メニュー表が韓国語なんで分からないと思いますが、こんな韓国食材がたくさん販売されています。

街中で魚(アマダイ)を干している風景なんて、ここでしか見られないでしょうね♪
東京の新大久保のように「ニューカマー」と呼ばれる人たちで構成される「コリアタウン」とは本質的に異なり、地元の人が作り上げてきた独特の文化があります。
ちなみに「ニューカマー」とは、日本生まれや昔から日本に根付いている在日韓国人とは違い、新たに韓国から来た人を指す言葉です。

また、生野区は大阪では知る人ぞ知る安くて美味しい下町グルメの街です。
不思議とお好み焼き屋さんの数は凄いです。全国区の銘店もありますしね~!!

僕たち黄さん三兄弟は、そんな地域にある美味しい下町グルメと、祖母の金順玉や母の慎仁子が作る美味しい韓国の家庭料理に囲まれた食文化で育ちました。
食に関していえば、大変有難い環境だったと思います。

大阪のキムチ文化・日本のキムチ文化

大阪は食に関する興味が高い人の多い街「大阪の食い倒れ」と古くから言われていて、食を大切にしてお金を掛けて楽しむ、食道楽の気風があることをさしてます。

そんな大阪人ですから、生野区に美味しいキムチ屋さんがあると評判を聞きつけ、どこからか人が集まります。
もちろんSNS等ない時代に、人から人への評判だけで伝わっていきました。
当たり前ですが、今とは比べ物にならないくらいゆっくり長い年月をかけてじっくりと。

また、徐々にテレビに紹介されるような有名店も出来る様になり、関西圏の人にも知られていきます。
おかげで、店によって味も色も香りも違うバリエーション豊富なキムチを求めて、大阪以外の関西圏の街からも連日多くの方が訪れ、いつも人で賑わっています。

今では、大阪もん名品に当社のキムチが認定されるなど、大阪の食文化の中でもキムチは一定の認知がある食べ物に成長しました♪
キムチが売れるとなると自然とお店も増えてきます。
起業精神の強い在日韓国人の人に加え、韓国から来たキムチ作りに自信のある人も店を構え、今では70店舗以上あります。

今では当たり前のように買える韓国食材ですが、50年前だと手に入らないものも多かったです。
韓国国内と同じ材料が手に入らないため味付けでも本場韓国とは違う独自の味、そして文化が生まれました。
その象徴が「だし」です。
うどんでも知られる大阪のだしは昆布と鰹の合わせだしで、これとキムチが融合し、他地域にはない「大阪鶴橋(生野)のキムチ」が生まれました。
だしの味がきいたキムチは、日本人の口にも合い大きな広がりを見せています。

韓国生まれの祖母が大阪市生野区で台車にキムチを載せ行商を始めた当社も同じくで、祖母や母が作るキムチにも当時から「だし」を練りこんでいたそうです。
今でもその作り方を踏襲していますので、「韓国の味だけど日本人が好きな味」になっているのだと思います。
ネットショップのレビューなどに「韓国の味じゃない!」と低評価を書かれることもありますが、当社をはじめ大阪鶴橋(生野)のキムチはこういう背景があります。

また、日本全体で見ても、日本で独自に進化したラーメンやカレーライスに似た経緯をキムチも辿っていて、韓国のキムチと違う食べ物になってきているなと。

日本でキムチが根付いて発展していくなかで、固定概念がないこともあり様々なキムチが生まれているのも興味深いです。
進化系キムチなどとも呼ばれ、韓国にはない日本独自のキムチが各店、各メーカーで作られています。
黄さんの手造りキムチでは、やまいもキムチやトマトキムチ、あおさのりのキムチ、梅干しキムチが進化系キムチとして人気です♪

キムチを好きな人が増えると嬉しい

黄さんのキムチであれば最高ですが、他社さんの物でも構わない。
最近思う僕の正直な気持ちです。
やはり韓国にルーツを持つ人間として、キムチの作り手として、そしてキムチが大好きな人間としてキムチが好きな人が増えると嬉しいです。
自分の好きな食べ物を共感してもらうのって大事でしょ♪
それが長年携わっているキムチなら最高じゃないですか!!

若かりし頃は何で他所のキムチ食べるんや~って思ってましたが、今はほとんどないです。
キムチは好みが分かれる食べ物なので、全ての人を振り向かせるのは難しいと思っています。
その分、黄さんのキムチを好きでいてくれている人には全力で応えたい!!

だから、今の日本のキムチ市場は凄く好きです。
日々切磋琢磨して、それぞれの好みに合わせて色んなキムチが選択肢にある。
もっともっと発展いくのを楽しんでいきたいです。

これからも、キムチが好きな人、キムチがある食卓を楽しむ人が増えていくよう努力を続けていきます♪

  • コメント ( 4 )

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  1. 駐在おやじ

    やはり ダシ使われてるんですね
    それは日本人の口に合うと思います。

    ニューカマーって 韓国の人だったんですね~~~~
    聞いたことはあるんですが 意味までは知りませんでした

      駐在おやじ

  2. 高麗食品

    駐在おやじさん
    コメントありがとうございます!
    日本人の口に合うようどんどん改良されていますね♪

    ニューカマーと在日コリアンは驚くほど風習違いますので分けて考えられてます(笑)

  3. 三姉妹の母

    家族みんな黄さんのキムチのファンです!月に一回スーパーに来てくださる時には必ず買っています!

  4. 高麗食品

    三姉妹の母さん
    コメントありがとうございます!
    また大変うれしいお言葉をいただき、ありがとうございます!
    ご期待に沿えるよう頑張っていきます♪

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